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生活習慣病の診断・治療

脳神経外科専門医が行う生活習慣病診療の意義
「脳を守る」という視点からのアプローチ

当院では、脳神経外科専門医が生活習慣病(高血圧症、糖尿病、脂質異常症など)の診療にも積極的に取り組んでいます。
一見すると脳神経外科と生活習慣病は距離のある領域に見えるかもしれませんが、実際には極めて密接な関係があります。


脳卒中(脳梗塞・脳出血)は日本人の死亡原因として依然上位を占め、要介護の最大要因の一つでもあります。その主たるリスクファクターは、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙といった生活習慣病に起因する慢性的な血管障害です。


脳神経外科の専門医は、これらの因子がいかに脳血管に影響を与えるかを臨床の現場で繰り返し見てきています。
私たちは、脳の画像診断(MRI・MRA・CT)を通じて、無症候性脳梗塞(silent brain infarction)や白質病変(leukoaraiosis)、脳動脈瘤などの“まだ症状の出ていない異常”を見つけることができます。つまり、「すでに脳に表れ始めた生活習慣病のサイン」を早期に捉え、必要に応じてより積極的な介入を行うことが可能なのです。


また高血圧の治療ひとつをとっても、単に数値を下げるだけでなく、「どの程度の血圧管理で、脳の微小血管障害を防げるか」という視点を持って処方を調整していきます。脳神経外科医として、“脳を守る”という最終目標を見据えた生活習慣病管理を実践している点が、一般的なプライマリ・ケアとの大きな違いです。


脳卒中や認知症は、ある日突然現れるのではなく、長年の生活習慣の積み重ねの“結果”として現れます。だからこそ、病気の前段階を見逃さず、脳の専門的知見をもとに介入していくことが、患者さんの将来のQOLを大きく左右すると考えています。脳の健康を長期的に守るパートナーとして、医学的根拠に基づいた丁寧な診療を心がけています。